2021年1月3日日曜日

「田中希代子 夜明けのピアニスト」 萩谷由喜子著

「田中希代子 夜明けのピアニスト」 萩谷由喜子著

本文より抜粋

日本がまだ敗戦の痛手から立ち直りきれなかった1950年代、ヨーロッパのメジャー国際コンクールで日本人として初めて最高位を獲得、現地のジャーナリズムから「東洋の奇跡」とまで称えられ、母国日本の人々の心にも薫風を吹き込んだ若い女性ピアニストがいた。

類稀な資質を超人的な努力で磨いた彼女の名前は田中希代子。

悲運にも難病で倒れ、三十六歳の絶頂期にステージから去ったが、希代子のピアニズムは欧米の第一級ピアニストに比してなんら遜色ないものであったことを、遺された録音は如実に伝えている。
クラシック音楽の歴史の浅い、しかも敗戦国の焦土のなかから、これほどのピアニストが生まれた秘密とはいったいなんだったのだろうか

ようこそ 萩谷由喜子の世界へ! http://www7b.biglobe.ne.jp/~yukiko99/books2-3.html